スマホ決済とは?店舗への導入方法やメリット、選び方まで徹底解説

スマホ決済は、QRコード決済やタッチ決済など、店舗でスマホを使った支払いを受け付けるキャッシュレス決済です。導入方法には、店頭QRコードを設置する方法や、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応したマルチ決済端末を導入する方法があります。

この記事でわかること
  • 店舗が導入できるスマホ決済の種類と導入方法
  • QRコード決済、マルチ決済端末、スマホ決済サービスの選び方
  • スマホ決済を導入するメリット、注意点、必要書類

スマホ決済とは?店舗でスマホを使った支払いを受け付ける方法

スマホ決済とは、店舗にとっては「来店客のスマートフォンから支払いを受ける仕組み」です。現金だけでなく、QRコード決済、電子マネー、クレジットカードのタッチ決済などに対応できるようになります。

たとえば、PayPayや楽天ペイなどのQRコード決済、Apple PayやGoogle Payに登録したカードでのタッチ決済、モバイルSuicaなどの電子マネー決済が該当します。

店舗がスマホ決済を導入すると、現金を持たないお客さまや、スマホでスムーズに会計したいお客さまにも対応できます。会計方法の選択肢を増やすことで、来店客の利便性向上にもつながります。

また、スマホ決済は支払い方法を増やすだけではありません。会計時間の短縮、現金管理の負担軽減、売上管理の効率化など、店舗運営を見直すきっかけにもなります。

店舗が導入できるスマホ決済の種類

店舗が導入できるスマホ決済は、主に「QRコード決済・バーコード決済」と「タッチ決済」の2種類です。まずは、それぞれの支払い方と店舗側に必要な準備を確認しましょう。

QRコード決済・バーコード決済

QRコード決済・バーコード決済は、スマホアプリに表示されるコードを使って支払う方法です。

QRコード決済には、主に2つの支払い方があります。

店舗に掲示されたQRコードをお客さまがスマホで読み取る方法

利用者が店舗のQRコードを読みとり、金額を入力して支払います。店舗側はQRコードを設置するだけで始められます。ただし、入力金額に誤りがないか確認する運用が必要です。

お客さまのスマホ画面に表示されたQRコードやバーコードを、店舗側の端末やスキャナーで読み取る方法

コンビニやスーパーなどでよく使われる方式で、レジ業務に組み込みやすい点が特徴です。

店頭QRコードを設置する方法は、初期費用を抑えて始めたい店舗に合います。一方、店舗側でコードを読み取る方法は、レジでの会計フローに組み込みたい店舗に合います。

代表的なサービスは以下の通りです。

  • PayPay
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • au PAY
  • メルペイ
  • Alipay+
  • WeChat Pay

スマホをかざして払うタッチ決済(非接触型決済)

タッチ決済は、利用者がスマホを決済端末にかざして支払う方法で、非接触型決済とも呼ばれます。
利用者は財布やカードを取り出さずに支払えるため、レジでの会計をスムーズにできます。

店舗がタッチ決済に対応するには、非接触決済に対応した決済端末が必要です。会計スピードを重視する店舗、レジ待ちを減らしたい店舗、少額決済が多い店舗と相性が良い決済方法です。

代表的なサービスは以下の通りです。

  • Apple Pay
  • Google Pay
  • モバイルSuica
  • PASMO
  • iD
  • QUICPay

スマホ決済を店舗に導入する主な方法

店舗がスマホ決済を導入する方法は、主に3つあります。店頭QRコードを設置する方法、マルチ決済端末を導入する方法、スマホを決済端末として使う方法です。

どの方法を選ぶべきかは、対応したい決済方法、店舗の規模、会計場所、初期費用、運用のしやすさによって変わります。

店頭QRコードを設置する

店頭QRコードを設置する方法は、店舗にQRコードを掲示し、お客さまがスマホで読み取って支払う方法です。

レジ横、受付カウンター、テーブルなどにQRコードを置いて運用します。専用の決済端末を用意せずに始められるため、個人店、小規模店舗、イベント出店などで導入しやすい方法です。

ただし、お客さまが支払金額を入力する方式では、店舗側で金額と決済完了画面を確認する必要があります。会計時に「金額を確認する」「決済完了画面を見せてもらう」といった運用ルールを決めておくことが大切です。

マルチ決済端末を導入する

マルチ決済端末とは、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、複数の決済方法に対応した決済端末のことです。

1台で複数の支払い方法を受け付けられるため、幅広い客層に対応したい店舗に合います。たとえば、飲食店、小売店、美容室、クリニック、宿泊施設など、さまざまな業種で利用されています。

マルチ決済端末には、レジ横に置いて使う据置型端末や、店内や屋外に持ち運べるポータブル型端末があります。POSレジと連携できる端末や、レシートプリンターを内蔵した端末もあります。

QRコード決済だけでなく、クレジットカードや電子マネーにも対応したい店舗は、マルチ決済端末を導入することで、会計方法をまとめて整えられます。

スマホを決済端末として使う方法もある

近年は、専用の決済端末を使わず、店舗側のスマホを決済端末として使う方法もあります。専用アプリを入れたスマホに、お客さまのカードやスマホをかざしてもらい、タッチ決済を受け付ける仕組みです。

専用端末を持ち歩かずに決済を受け付けられるため、イベント、移動販売、訪問サービス、個人事業主の対面販売などで候補になります。

ただし、利用できるスマホの機種、対応できる決済方法、レシート発行の方法、入金サイクルはサービスごとに異なります。導入前に、自店の会計シーンで問題なく使えるかを確認しましょう。

店舗向けスマホ決済サービス、マルチ決済端末の比較

スマホ決済サービスやマルチ決済端末は、対応している決済方法、端末費用、月額料金、決済手数料、入金サイクルがサービスごとに異なります。ここでは、店舗向けに導入されている代表的なスマホ決済サービスとマルチ決済端末を比較します。自店の会計方法や客層に合うサービスを選ぶ際の参考にしてください。

サービス名
対応決済
特徴
Airシリーズとの連携重視で、幅広い決済手段を一括導入したい
Airシリーズとの連携重視で、幅広い決済手段を一括導入したい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

端末無料貸与で初期費用0円、81種の決済対応で人気の決済端末

Airシリーズとの連携重視で、幅広い決済手段を一括導入したい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

端末無料貸与で初期費用0円、81種の決済対応で人気の決済端末

Squareの決済端末画像
固定費0円で始めて、入金の早さを活かしてシンプルに運用したい
固定費0円で始めて、入金の早さを活かしてシンプルに運用したい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

初期費用0円で即日使えて、売上も即日入金、決済スピード高速

Squareの決済端末画像
固定費0円で始めて、入金の早さを活かしてシンプルに運用したい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

初期費用0円で即日使えて、売上も即日入金、決済スピード高速

Square リーダーの端末画像
固定費0円で安価でスマートな端末を使い、最短即日入金がいい
固定費0円で安価でスマートな端末を使い、最短即日入金がいい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

固定費0円で即日入金、クレカ・電子マネー・QR対応の小型端末

Square リーダーの端末画像
固定費0円で安価でスマートな端末を使い、最短即日入金がいい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

固定費0円で即日入金、クレカ・電子マネー・QR対応の小型端末

Square Terminalの端末画像
最短即日の入金で、持ち運べるオールインワン端末を使いたい
最短即日の入金で、持ち運べるオールインワン端末を使いたい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

月額0円で即日入金、持ち運び&プリンタ内蔵で幅広い決済に対応

Square Terminalの端末画像
最短即日の入金で、持ち運べるオールインワン端末を使いたい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

月額0円で即日入金、持ち運び&プリンタ内蔵で幅広い決済に対応

stera packの決済端末画像
手数料1.98%〜で、1台完結・入金サイクル重視で安定運用したい
手数料1.98%〜で、1台完結・入金サイクル重視で安定運用したい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

初期月額0円で1台完結、手数料1.98%〜で30種以上の決済対応

stera packの決済端末画像
手数料1.98%〜で、1台完結・入金サイクル重視で安定運用したい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

初期月額0円で1台完結、手数料1.98%〜で30種以上の決済対応

スマレジ・PAYGATE POSの決済端末画像
POS連携で会計の二度打ちをなくして、持ち運びでも使いたい
POS連携で会計の二度打ちをなくして、持ち運びでも使いたい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

持ち運べる無料端末、レジ連携に強くレシートプリンター内蔵

スマレジ・PAYGATE POSの決済端末画像
POS連携で会計の二度打ちをなくして、持ち運びでも使いたい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

持ち運べる無料端末、レジ連携に強くレシートプリンター内蔵

JMSのおまかせWebプランのVEGA3000の端末画像
初期・月額0円で、決済ブランド数とサポート体制を重視したい
初期・月額0円で、決済ブランド数とサポート体制を重視したい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

初期費用0円で選べる決済端末、71種決済対応と充実サポート

JMSのおまかせWebプランのVEGA3000の端末画像
初期・月額0円で、決済ブランド数とサポート体制を重視したい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

初期費用0円で選べる決済端末、71種決済対応と充実サポート

STORES 決済の端末画像
初期・手数料を安く、POS・予約・ECもまずは無料で使いたい
初期・手数料を安く、POS・予約・ECもまずは無料で使いたい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

手数料1.98%〜のモバイル端末、レジ・ECも無料で導入

STORES 決済の端末画像
初期・手数料を安く、POS・予約・ECもまずは無料で使いたい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

手数料1.98%〜のモバイル端末、レジ・ECも無料で導入

PayCAS Mobileの決済端末画像
PayPayの決済が多く、プリンタ内蔵の持ち運べる端末で運用したい
PayPayの決済が多く、プリンタ内蔵の持ち運べる端末で運用したい
対応決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴

端末0円プランあり、持ち運べてPayPayの手数料が安い決済端末

PayCAS Mobileの決済端末画像
PayPayの決済が多く、プリンタ内蔵の持ち運べる端末で運用したい
対応決済:

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

特徴:

端末0円プランあり、持ち運べてPayPayの手数料が安い決済端末

スマホ決済サービスの選び方

スマホ決済サービスを選ぶ際は、初期費用だけでなく、継続的な運用コストや機能面を総合的に確認することが重要です。特に、対応できる決済方法、決済手数料、入金サイクル、サポート体制は、導入後の使いやすさに大きく関わります。

同じスマホ決済でも、店頭にQRコードを置く方法と、マルチ決済端末を導入する方法では、費用や運用方法が異なります。自店の会計方法や客層に合うサービスを選ぶために、次のポイントを確認しましょう。

QRコード設置型かマルチ決済端末かを決める

まずは、店頭QRコードを設置する方法にするか、マルチ決済端末を導入するかを決めましょう。

QRコード設置型は、店舗にQRコードを掲示し、お客さまがスマホで読み取って支払う方法です。専用端末を使わずに始められるため、初期費用を抑えたい個人店や小規模店舗に合います。

一方、マルチ決済端末は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、複数の支払い方法に対応できる決済端末です。幅広い客層に対応したい店舗や、レジ業務をまとめて管理したい店舗に合います。

導入方式の特徴比較

項目マルチ決済端末QRコード決済
端末専用端末が必要不要な場合が多い
初期費用端末費用がかかる場合がある0円から始められる場合がある
対応決済クレジットカード、
電子マネー、
QRコード決済
などに対応
主にQRコード決済に対応
決済速度端末操作でスムーズに会計できる金額確認の運用が必要
管理方法複数の決済をまとめて管理しやすいサービスごとに管理が分かれる場合がある
合う店舗飲食店、小売店、美容室、クリニックなど個人店、小規模店舗、イベント出店など
※初期費用、対応決済数、決済手数料はサービスや契約プランによって異なります。導入前に各サービスの公式情報を確認しましょう。

対応したい支払い方法を確認する

次に、自店で対応したい支払い方法を確認します。スマホ決済といっても、QRコード決済、電子マネー、クレジットカードのタッチ決済など、対応できる支払い方法はサービスごとに異なります。

PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYなどのQRコード決済に対応したいのか、Suicaなどの交通系電子マネーやiD、QUICPayにも対応したいのかを整理しましょう。

客層によっても、重視すべき決済方法は変わります。駅近の店舗や少額決済が多い店舗では交通系電子マネー、ビジネス客や高単価の商品を扱う店舗ではクレジットカード決済、若年層の利用が多い店舗ではQRコード決済の需要があります。

インバウンド客が多い店舗では、国際ブランドのクレジットカードやタッチ決済への対応も重要です。自店の立地、客単価、来店客の年齢層を踏まえて、必要な決済方法を選びましょう。

初期費用、端末費用、月額料金を比較する

スマホ決済端末の費用は、サービスや端末によって異なります。

QRコード設置型は、初期費用や端末費用を抑えられるサービスが多くあります。一方、マルチ決済端末は、端末費用や月額料金が発生する場合があります。端末代が無料になるキャンペーンを実施しているサービスもありますが、適用条件や契約期間の確認が必要です。

比較するときは、次の費用を確認しましょう。

  • 初期費用:申し込み時や導入時にかかる費用
  • 端末費用:決済端末の購入費用またはレンタル費用
  • 月額料金:サービス利用料、端末利用料、管理画面利用料など
  • オプション費用:レシートプリンター、POS連携、追加端末などにかかる費用

「初期費用0円」「端末無料」と書かれていても、決済手数料、月額料金、解約条件、キャンペーン終了後の料金は別途確認が必要です。導入時の費用だけでなく、半年後、1年後にかかる運用コストまで見て比較しましょう。

決済手数料を確認する

決済手数料は売上に直接影響する重要な要素です。一般的な決済手数料は3%前後が多く、同じ決済手段では大きな差が出にくい傾向があります。ただし、QRコード決済や特定プランでは手数料が異なるため、月額料金や入金サイクルも含めて比較することが重要です。

決済手段手数料範囲代表的なサービス
クレジットカード3.24〜3.75%Visa、Mastercard、JCB
QRコード決済1.6〜3.24%PayPay、d払い、楽天ペイ
電子マネー3.0〜4.0%Suica、iD、QUICPay
タッチ決済3.24〜3.75%Visaタッチ、Mastercardコンタクトレス

決済手数料は、年商1,000万円の店舗では、手数料1%の差が年間10万円の違いとなるため、慎重な検討が必要です。ただし、決済手数料だけで判断せず、対応決済、入金サイクル、端末機能、サポート体制と合わせて確認しましょう。

入金サイクルと振込手数料を確認する

入金タイミングは店舗の資金繰りに大きく影響します。決済手数料が安くても、売上金の入金が遅いと、仕入れや人件費の支払いに影響する場合があります。

Squareはみずほ銀行・三井住友銀行を利用することで最短翌日入金が可能で、振込手数料も無料となっています。また、通常の振込スケジュールより早く資金が必要な場合は、手数料1.5%で即時入金サービスを利用できます。

順位イメージサービス名入金サイクル
🥇
1位
Square全端末最短即時入金
※通常入金:最短翌日
🥈
2位
STORES決済最短翌々日
※銀行問わず
🥉
3位
stera pack最短2営業日後
※毎日締めの場合
※新規申込時選択不可
「入金サイクルの早さ」で比較!おすすめ決済端末ランキング

飲食店や小売店など、仕入れが頻繁に発生する業種では、翌日入金や即時入金サービスの利用価値が高くなります。売上金を早く受け取れると、仕入れ、家賃、人件費などの支払いに回しやすく、資金効率の改善につながります。

一方で、入金サイクルはサービスや登録口座、契約プランによって異なります。振込手数料の有無、入金回数、指定銀行の条件など下記項目をあわせて確認しましょう。

  • 入金日:売上が何日後に入金されるか
  • 入金回数:毎日、週1回、月数回などの違い
  • 振込手数料:無料か有料か、条件付き無料か
  • 入金先口座:指定銀行で入金サイクルや手数料が変わらないか

開業直後の店舗や、仕入れの支払いが多い店舗では、決済手数料と同じくらい入金サイクルが重要です。導入前に、売上金がいつ入金されるか、振込手数料がかかるかを確認しておきましょう。

サポート体制とトラブル時の対応を確認する

スマホ決済を導入すると、端末の操作、通信不良、決済エラー、入金確認など、店舗側で対応が必要な場面があります。そのため、サポート体制も重要な比較ポイントです。

確認したいのは、問い合わせ方法、受付時間、サポート対象、端末故障時の対応です。電話サポートがあるか、メールやチャットのみか、土日や夜間も対応しているかによって、トラブル時の安心感が変わります。

特に、飲食店、イベント、移動販売などでは、営業時間中の決済トラブルが売上機会の損失につながります。決済できない場合の代替手段や、端末の再起動、通信確認、決済取消の手順も事前にスタッフへ共有しておきましょう。

導入前には、料金や手数料だけでなく、困ったときにすぐ確認できるサポート体制があるかも確認することが重要です。

スマホ決済の導入で得られるメリット

スマホ決済を導入すると、会計時間の短縮、現金管理の負担軽減、キャッシュレス派の取り込み、売上管理の効率化などが期待できます。単に支払い方法を増やすだけでなく、店舗運営全体の改善にもつながる点が大きなメリットです。

【OREND独自調査】キャッシュレス決済導入後の効果

ORENDがキャッシュレス決済を導入、または過去に導入していた店舗の経営者・従業員469人に調査したところ、27%が売上向上、39%が業務効率の向上を実感したと回答しました。また、66%の店舗で会計の半分以上がキャッシュレス決済になっているという結果も出ています。

この結果からも、スマホ決済を含むキャッシュレス決済は、支払い方法を増やすだけでなく、会計業務や店舗運営の改善にも関わる仕組みだといえます。

会計時間を短縮できる

スマホ決済を導入すると、現金の受け渡しや釣り銭計算の手間を減らせます。レジでの会計が短くなれば、混雑しやすい時間帯の待ち時間を抑えられ、スタッフの負担軽減にもつながります。

特に飲食店、小売店、イベント出店など、短時間で多くのお客さまに対応する店舗では、会計スピードが店舗運営に大きく関わります。スマホ決済に対応することで、レジ対応にかかる時間を減らし、接客や商品提供に時間を回せます。

帝国データバンクの調査によると、2025年1月時点で正社員の人手不足を感じている企業は53.4%、非正社員では30.6%とされています。また、飲食店では非正社員の人手不足割合が60.7%となっており、人手不足は多くの店舗にとって重要な課題です。

スマホ決済だけで人手不足を解消できるわけではありませんが、会計業務の負担を減らすことで、人手不足対策の一つになります。

現金管理の手間とミスを減らせる

現金決済では、釣り銭の準備、レジ締め、売上金の確認、銀行への入金など、日々の管理業務が発生します。スマホ決済を導入すると、現金を扱う量を減らせるため、レジ締めや売上確認の負担を抑えられます。

ORENDの独自調査では、キャッシュレス決済を導入してよかったこととして、48.6%がレジ業務の負担軽減、39.2%が現金管理の負担軽減を実感したと回答しています。

現金の取り扱いが減ると、釣り銭ミス、売上金の数え間違い、現金の紛失リスクも抑えられます。特に、少人数で運営している店舗や、閉店後のレジ締めに時間がかかっている店舗では、現金管理の負担軽減は大きなメリットです。

キャッシュレス派やインバウンド需要に対応できる

スマホ決済に対応すると、現金を持ち歩かないお客さまや、普段からQRコード決済やタッチ決済を利用しているお客さまを取り込みやすくなります。

特に若年層では、キャッシュレス決済に対応していないことを理由に、店舗利用を断念した経験がある人も一定数います。現金以外の支払い方法を用意することは、会計時の利便性を高めるだけでなく、来店機会の損失を防ぐうえでも重要です。

NIRA総合研究開発機構の調査によると、個人の消費支出におけるキャッシュレス決済比率は70.6%でした。支払い時に利用したい手段として、クレジットカードが40%、QRコード・バーコード決済が25%で、「現金で支払いたい」の19%を上回っています。

インバウンド対応では、Alipay(支付宝)、WeChat Pay、Union Payなどの中国系決済や、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレスへの対応が重要です。訪日外国人の利用がある飲食店、宿泊施設、観光地周辺の小売店では、海外利用者が使い慣れた決済手段に対応することで、支払い時の不便を減らせます。

売上管理やレジ締め業務を効率化できる

スマホ決済を導入すると、決済履歴を管理画面で確認できるため、売上の確認やレジ締め業務を効率化できます。POSレジと連携できるサービスを選べば、会計情報や売上データをまとめて管理でき、手入力や二重入力の手間も減らせます。

ORENDの独自調査では、キャッシュレス決済の導入により29.8%がデータ分析を行えるようになったと回答しています。売上傾向の確認や販促施策の見直しに役立てられる点も、キャッシュレス決済導入のメリットです。

店舗運営では、売上を把握するだけでなく、曜日別、時間帯別、商品別の傾向を見ながら改善していくことが重要です。スマホ決済やマルチ決済端末を導入し、売上データを確認できる環境を整えることで、日々の会計業務だけでなく、店舗運営の改善にもつなげられます。

スマホ決済を導入するときの注意点

スマホ決済は店舗運営の効率化につながりますが、導入前に確認すべき点もあります。費用、入金サイクル、審査、通信トラブル、スタッフ対応を確認し、自店の運用に合うサービスを選びましょう。

決済手数料や月額費用が発生する

スマホ決済を導入すると、決済ごとに手数料が発生します。マルチ決済端末を導入する場合は、端末費用や月額料金がかかることもあります。

「端末無料」「月額無料」と書かれていても、適用条件や無料期間、解約条件は確認が必要です。初期費用だけでなく、毎月の運用コストまで見て比較しましょう。

売上の入金まで時間がかかる場合がある

スマホ決済の売上は、すぐに口座へ入金されるとは限りません。入金サイクルはサービスごとに異なり、翌日、数営業日後、週1回、月数回などの違いがあります。

仕入れや人件費の支払いが多い店舗では、入金日や振込手数料の確認が重要です。導入前に、売上金がいつ入金されるかを確認しましょう。

加盟店審査に通らない場合がある

スマホ決済を利用するには、加盟店審査を受ける必要があります。審査では、事業内容、取り扱い商品、店舗情報、代表者情報、口座情報などが確認されます。

業種や商材によっては、審査に時間がかかったり、追加書類が必要になったりします。申し込み前に必要書類をそろえ、事業内容を正確に入力しましょう。

審査期間は通常1〜2週間程度ですが、書類不備や追加確認が必要な場合は1ヶ月以上かかることもあります。複数のサービスに同時申込みすることで、リスク分散を図ることをおすすめします。

通信障害や端末トラブル時の対応を決めておく

スマホ決済は、インターネット通信や決済端末を使って処理します。通信障害、端末の電池切れ、アプリ不具合が起きると、会計が止まることがあります。

予備の決済方法、端末の充電ルール、通信確認、決済エラー時の対応を事前に決めておきましょう。イベントや移動販売では、営業前の通信確認も重要です。

スタッフが操作に慣れるまで教育が必要

スマホ決済を導入すると、スタッフは決済方法ごとの操作を覚える必要があります。QRコード決済、タッチ決済、電子マネー決済では、端末操作や確認方法が異なります。

決済取消、返金、レシート発行、決済完了画面の確認などは、事前に共有しておきましょう。簡単な操作マニュアルを用意すると、会計時の迷いやミスを減らせます。

スマホ決済に対応できる決済端末の種類

QRコード単体の導入ではなくではなく、すべてのスマホ決済に対応できるマルチ決済端末がおすすめです。マルチ決済端末には大きく分けてポータブル型と据え置き型の2種類があり、店舗の業態や利用シーンに応じた選択が重要です。

持ち運びできるポータブル型端末

ポータブル型端末は持ち運び可能な小型軽量設計で、場所を選ばない決済対応が可能です。重量315g程度でポケットやエプロンに収まるサイズが主流となっています。

クレジットカード決済端末機(CAT端末)の初期費用一覧

ポータブル型端末はクレジットカード、IC、QR、タッチ決済に対応したマルチ決済機能を備え、POS機能も標準搭載されているため売上管理、商品登録、在庫管理が一台で完結します。バーコードスキャナーが内蔵されており商品登録や在庫管理を効率化できるほか、耐水・耐塵設計により屋外イベントや移動販売でも安心して利用でき、1日中の連続使用が可能な長時間バッテリーを搭載しています。

特に飲食店では、2025年3月のPINバイパス廃止により、席決済での暗証番号入力が必須となるため、ポータブル端末の重要性が格段に高まっています。

レジ横に設置する据え置き型端末

据え置き型端末はレジカウンターに固定設置するタイプで、安定した処理能力と視認性の高い画面が特徴です。高級店や客単価の高い店舗では、端末の質感やデザインも重要な選択要素となります。

サービス名

stera pack

Square レジスター

端末 stera packの決済端末画像 Square レジスターの端末画像
クレジットカード決済端末機(CAT端末)の初期費用一覧

据え置き型端末は大画面ディスプレイにより操作性と視認性が向上し、大量の決済処理に対応可能な高速処理能力を備えています。レシートプリンターが内蔵された一体型で設置スペースを節約でき、POSレジ、在庫管理、顧客管理システムとの多機能連携が可能です。さらに物理的な盗難防止機能を搭載したセキュリティ強化により、安心して運用できます。

美容室や高級小売店では、店舗の雰囲気に合わせたデザイン性も重要で、Squareでは複数のカラーバリエーションやフォルムの異なる端末を選択できます。

スマホを決済端末として使うサービス

近年は、専用端末を使わず、店舗側のスマホを決済端末として使えるサービスもあります。スマホに専用アプリを入れ、お客さまのカードやスマホをかざしてもらうことで、タッチ決済を受け付けられます。

イベント、移動販売、訪問サービス、個人事業主の対面販売など、常設レジを置かない場面で候補になります。ただし、利用できるスマホの機種や対応できる決済方法はサービスごとに異なるため、導入前に確認が必要です。

業界・会計シーン別にスマホ決済の選び方を解説

スマホ決済サービスは、業種や会計シーンによって選ぶべき端末や導入方法が変わります。レジで会計する店舗、席会計がある飲食店、イベントや移動販売、訪問サービスでは、必要な端末の持ち運びや通信環境、レシート発行の有無も異なります。

ここでは、業種や会計シーン別に、スマホ決済サービスを選ぶときのポイントを解説します。

イベント・移動販売では持ち運べる端末を選ぶ

イベントや移動販売では、固定レジを置けないため、ポータブル型の決済端末やスマホを決済端末として使うサービスが候補になります。屋外で使う場合は、端末のバッテリー、通信環境、レシート発行の方法を確認しましょう。

キッチンカー、催事販売、フリーマーケット、展示会などでは、会計場所が日によって変わることもあります。持ち運びができ、操作が簡単な端末を選ぶと、限られた人員でも会計対応を進められます。

また、イベント会場では通信が混雑することがあります。モバイル通信に対応した端末を選ぶ、予備の通信手段を用意するなど、決済が止まらないための準備も重要です。

イベント・移動販売での活用ポイント

  • バッテリー駆動端末の活用:8時間以上の連続利用が可能
  • モバイルWi-Fiとの併用:安定した通信環境を確保
  • QRコード決済の併用:端末トラブル時の代替手段として
  • 在庫管理連携:リアルタイムでの商品管理により売り切れを防止
  • 売上即時確認:イベント終了時に即座に売上集計が可能

屋外でも安心の耐水・耐塵設計(IP54)を備えた端末が登場しており、天候に左右されないイベント販売が可能となっています。

飲食店・バーでは席会計と暗証番号入力への対応を確認する

飲食店やバーでは、レジ会計だけでなく、テーブルで会計する場面があります。そのため、持ち運びできるポータブル型端末や、レシートプリンター付きの端末が候補になります。

席会計を行う場合は、通信環境、端末の持ち運び、レシート発行、暗証番号入力への対応を確認しましょう。一定金額を超えるタッチ決済では、暗証番号の入力が必要になる(※)場合があります。
※2025年3月のPINバイパス廃止により、1万円を超える決済で暗証番号入力が必須

また、飲食店では会計の混雑が発生しやすいため、決済スピードも重要です。POSレジと連携できる端末を選べば、注文情報と決済情報をまとめて管理でき、レジ業務の負担を減らせます。

美容室・小売店ではレジ周りに合う端末を選ぶ

美容室や小売店では、店舗の雰囲気に合ったデザイン性のある端末を選ぶことが大切です。見た目もサービスの一部として重視されます。

SquareやSTORESなどは予約システムや在庫管理システムも提供しています。

予約システムと連携すれば、予約から決済までスムーズに対応でき、顧客管理機能を使えば一人ひとりに合わせた接客が可能になります。ポイントや会員機能を活用することで、常連客の獲得にもつながります。

また、在庫管理との連携で商品と施術の管理を一元化でき、スタイリストごとの売上管理も簡単です。特に美容室では、施術中のスムーズな決済タイミングを工夫することで、顧客満足と業務効率の両立が図れます。

訪問サービス・出張販売はスマホで決済を受け付ける方法も検討する

訪問サービスや出張販売では、店舗のレジではなく、顧客先で会計することになります。訪問美容、出張整体、修理業、ハウスクリーニング、出張販売などでは、持ち運びできる決済方法を用意しておくと、現金以外の支払いにも対応できます。

このような業種では、ポータブル型端末や、スマホを決済端末として使うサービスが候補になります。専用端末を持ち歩く方法もありますが、スマホだけでタッチ決済を受け付けられるサービスを選べば、荷物を増やさずに決済対応を始められます。

導入時には、移動先での通信環境、対応できる支払い方法、レシート発行の方法、決済完了通知を確認しましょう。現金の受け渡しを減らせるため、集金管理の負担軽減にもつながります。

スマホ決済導入の手順と必要な書類

スマホ決済の導入は、適切な手順で進めることで最短1週間程度での運用開始が可能です。必要書類の事前準備により、スムーズな審査通過を実現できます。

導入手順と必要な書類

スマホ決済導入の基本的な流れは、書類準備、申込み、審査、端末設定、運用開始の5段階に分かれます。

基本的な導入手順

  1. 事前準備(1日):必要書類の収集と整備
  2. オンライン申込み(30分):基本情報の入力と書類アップロード
  3. 審査期間(3〜7日):加盟店審査と与信確認
  4. 端末配送・設定(2〜3日):機器の配送と初期設定
  5. 運用開始(即日):テスト決済と本格運用開始

必要書類の詳細

  • 法人の場合:登記簿謄本(発行から3ヶ月以内)、印鑑証明書、代表者の本人確認書類
  • 個人事業主の場合:開業届、確定申告書(直近1年分)、本人確認書類(免許証等)
  • 共通書類:銀行口座情報、店舗賃貸契約書(該当する場合)、営業許可証(飲食店等)

審査を円滑に進めるため、書類の有効期限や記載内容の正確性を事前に確認することが重要です。

審査から利用開始まで

加盟店審査では、事業内容の適法性、財務の健全性、信用情報の確認が行われます。審査期間は通常3〜7日程度ですが、業種や提出書類によって変動します。

審査項目と対策

  • 事業内容の適法性:営業許可証や資格証明書の提出
  • 財務状況:売上実績や確定申告書による収益性確認
  • 信用情報:代表者の信用情報照会(クレジットヒストリー等)
  • 店舗実態:営業実態の確認(Webサイト、店舗写真等)

審査通過後は端末の配送と初期設定を行い、テスト決済を実施して問題がないことを確認してから本格運用を開始します。多くのサービスで電話やチャットによるサポートが提供されており、設定に不安がある場合でも安心して導入できます。

導入後の継続サポート

  • 24時間技術サポート:決済トラブルや端末故障への対応
  • 売上データ分析:月次・週次レポートによる売上分析支援
  • システムアップデート:自動更新による最新機能の提供
  • 追加サービス:POSレジ、予約システム等の拡張機能

スマホ決済の導入は単なる決済手段の追加ではなく、店舗運営の効率化と顧客サービス向上を実現する重要な投資です。適切なサービス選択と計画的な導入により、競争力の強化と収益性の向上を同時に実現できます。