キャッシュレス決済やインバウンド対応を調べていると、「Alipay+(アリペイプラス)」という名称を目にすることがあります。Alipay+は、Alipayを含む複数の海外モバイル決済をまとめて取り扱うための決済基盤です。
本記事では、Alipay+の仕組みや対応決済一覧、Alipayとの違い、決済代行サービスの料金・手数料、導入方法までわかりやすく解説します。
Alipay+(アリペイプラス)とは?仕組みをわかりやすく解説
Alipay+(アリペイプラス)は、Ant Internationalが提供する海外のモバイル決済をまとめて受け付けるための決済基盤です。Alipayをはじめ、GCash、Kakao Pay、Touch ‘n Go eWalletなど、複数のモバイルウォレットや銀行アプリを一つの仕組みでつなぎます。
店舗は海外の決済サービスを一つずつ個別に導入する必要がなく、Alipay+を通じて複数の決済に対応できます。2026年8月時点では、Alipay+は50のモバイル決済サービスや銀行アプリと連携し、220以上の市場をカバーしています。
Alipay+は複数の海外決済をまとめて利用できる仕組み
Alipay+は、利用者が支払い時に起動する決済アプリではありません。複数のモバイルウォレットや銀行アプリと店舗をつなぐ統合型の決済ゲートウェイです。利用者は普段使っている対応アプリで支払い、店舗はAlipay+に接続した決済環境で代金を受け付けます。
この仕組みにより、中国だけでなく、韓国、フィリピン、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどで利用されている決済サービスにも対応できます。
AlipayとAlipay+の違い
Alipayは単独の決済サービス、Alipay+はAlipayを含む複数の海外決済をまとめて取り扱うための決済基盤です。名称は似ていますが、サービスの役割が異なります。
Alipayを導入した店舗では、Alipayによる支払いを受け付けられます。一方、Alipay+を導入すると、Alipayだけでなく、各国・地域の対応するモバイルウォレットや銀行アプリによる支払いもまとめて受け付けられます。
| 比較項目 | Alipay | Alipay+ |
| サービスの役割 | 単独の決済サービス | 複数の海外決済をまとめて取り扱う決済基盤 |
| 主な対象 | 中国本土のAlipay利用者 | 各国・地域の対応ウォレット利用者 |
| 店舗で受け付ける決済 | Alipay | Alipayを含む複数の対応決済 |
| 店舗側の導入 | Alipay対応サービスを導入 | Alipay+対応の決済代行サービスなどを導入 |
| 特徴 | Alipayによる支払いに対応できる | 複数の海外決済にまとめて対応できる |
つまり、Alipayは1つの決済サービスに対応するもの、Alipay+は複数の海外決済への対応をまとめるものです。インバウンド対応を重視する店舗では、AlipayだけでなくAlipay+への対応も確認することが重要です。
Alipay+に対応している海外QRコード決済一覧
Alipay+には、中国本土のAlipayだけでなく、アジアを中心に幅広いモバイルウォレットや銀行アプリが参加しています。公式サイトに掲載されている主な対応サービスは以下のとおりです。
| 国・地域 | 主な対応決済 |
| 中国本土 | Alipay |
| 香港 | AlipayHK |
| 韓国 | Kakao Pay、NAVER Pay、Toss |
| フィリピン | GCash、Maya、BPI、HelloMoney by AUB、BillEase |
| マレーシア | Touch ‘n Go eWallet、Boost、MyPB、BigPay |
| タイ | TrueMoney、K Plus、LINE Pay、SCB Planet Plus、BigPay |
| シンガポール | GrabPay、Changi Pay、EZ-Link Wallet、OCBC Digital |
| インドネシア | DANA、Doku、Kredivo、Akulaku PayLater |
| ベトナム | MoMo、VCB、Zalopay |
| マカオ | MPay |
| モンゴル | Hipay |
| カザフスタン | Kaspi |
| パキスタン | Nayapay |
| ミャンマー | uabpay |
| イタリア | Tinaba |
| イギリス | Wise、iFAST Global Bank |
Alipay+の参加サービスは拡大しており、公式サイトには上記以外の決済サービスも掲載されています。ただし、Alipay+に参加しているすべての決済を、日本国内のすべての加盟店で利用できるわけではありません。店舗で受け付けられるブランドは、契約する決済代行サービスの対応範囲によって異なります。
Alipay+の決済方法・店舗での利用方法
Alipay+の店頭決済には、主に利用者が提示したQRコードを店舗が読み取る方法と、店舗が提示したQRコードを利用者が読み取る方法があります。Alipay+はどちらの方式にも対応しています。
実際の会計操作や使用する端末は、導入する決済代行サービスによって異なります。契約前に、Alipay+への対応だけでなく、店舗での会計方法や決済端末の仕様まで確認する必要があります。
利用者のQRコードを店舗側で読み取る方法
利用者がスマートフォンの対応ウォレットで支払い用コードを表示し、店舗側が決済端末などで読み取る方式です。Alipay+では「User-presented Mode Payment」と呼ばれています。利用者が提示した決済コードを店舗側で読み取り、支払いを受け付ける仕組みです。
店舗側で金額を入力したあと、利用者が対応アプリでコードを提示します。店舗がコードを読み取り、決済結果を確認すれば会計は完了です。具体的な操作手順は、利用する決済端末によって異なります。
店舗のQRコードを利用者が読み取る方法
店舗側がQRコードを提示し、利用者がスマートフォンで読み取って支払う方式です。Alipay+では「Merchant-presented Mode Payment」と呼ばれ、固定されたQRコードと取引ごとに生成するQRコードの両方に対応しています。
利用者は対応するモバイルウォレットで店舗のQRコードを読み取り、必要に応じて金額を入力して支払いを確定します。店舗側で決済結果を確認すれば会計は完了です。
Alipay+を店舗に導入するメリット・注意点
Alipay+を導入すると、訪日外国人が普段利用しているモバイル決済を日本の店舗でも受け付けられます。大きな特徴は、複数の海外決済をまとめて導入できることです。一方、対応ブランドや料金は契約先によって異なるため、Alipay+への対応だけで導入サービスを決めることはできません。
訪日外国人のキャッシュレス決済に対応できる
Alipay+を導入すると、中国のAlipayだけでなく、韓国のKakao PayやNAVER Pay、フィリピンのGCash、マレーシアのTouch ‘n Go eWallet、タイのTrueMoneyなど、各国で利用されている決済サービスに対応できます。
利用者は自国で普段使っている対応アプリで支払えるため、店舗は訪日外国人向けの決済手段を増やせます。飲食店、小売店、宿泊施設など、訪日外国人の利用が多い店舗では確認しておくべき決済手段です。
複数の海外QRコード決済にまとめて対応できる
Alipay+は、一つの接続で複数のモバイル決済に対応できる仕組みです。各国の決済サービスと個別にシステム接続する必要がなく、Alipay+を通じて対応範囲を広げられます。
国内の店舗では、Alipay+に対応した決済代行サービスを利用することで、この仕組みを導入できます。たとえば、PAYGATEやSTORES決済、KOMOJU TerminalはAlipay+に対応しています。
対応決済や契約条件は導入サービスによって異なる
Alipay+を導入する際は、契約する決済代行サービスごとに手数料、対応ブランド、端末、月額費用が異なることを確認する必要があります。
たとえば、PAYGATEではAlipay+、WeChat Pay、銀聯QRの決済手数料を2.00%としています。一方、STORES決済とKOMOJU TerminalではAlipay+の決済手数料は3.24%です。月額固定費や端末費用にも違いがあるため、Alipay+への対応だけでなく、総コストとほかの対応決済まで含めて判断する必要があります。
Alipay+対応の決済代行サービスを料金・手数料で比較
店舗にAlipay+を導入する場合は、対応する決済代行サービスへ申し込みます。
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Alipay+を店舗に導入する方法・申し込みの流れ
Alipay+を店舗に導入する場合は、Alipay+に対応した決済代行サービスを選び、加盟店審査を受けて利用を開始するのが基本的な流れです。PAYGATE、STORES決済、KOMOJU Terminalでは、それぞれ料金や対応ブランドが異なります。必要な決済手段を確認したうえで申し込みます。
- Alipay+対応の決済代行サービスを選ぶ
- 店舗情報や事業者情報を入力して申し込む
- 必要書類を提出して加盟店審査を受ける
- 決済端末やアプリの設定を行う
- 審査完了後にAlipay+の決済受付を開始する
決済代行サービスは、Alipay+への対応だけで選ばず、決済手数料、月額費用、端末費用、国内のQRコード決済やクレジットカードへの対応まで確認することが重要です。インバウンド向けと国内向けのキャッシュレス決済をまとめて導入する店舗では、必要な決済ブランドを一括で扱えるサービスを優先してください。
