Stripe決済は、オンラインでクレジットカード決済やサブスク課金を導入したい事業者にとって、有力な選択肢のひとつです。
初期費用や月額費用がかからず、導入しやすい一方で、返金時に決済手数料が戻らない点や、入金サイクルには注意が必要です。
この記事では、Stripe決済の仕組みや手数料、メリットとデメリット、導入方法までをまとめて解説します。自社に向いているか判断したい方は、まずメリットと注意点から読むのがおすすめです。
Stripeとは?
Stripeの概要と歴史
Stripeは2010年に米国カリフォルニア州サンフランシスコで創業 したオンライン決済サービスです。世界14か国以上に拠点を構え、100万社以上が利用 しています。創業者であるコリソン兄弟が「インターネットのGDPを増やす」というビジョンのもと開発を進め、2011年に正式公開されました。
このように海外発のサービスですが、日本でもWebサービスやECサイトを中心に広く導入が進んでいます。
知名度や導入実績が高く、スタートアップから大手企業まで使われている点は安心材料といえるでしょう。
Stripeの仕組み
Stripe決済では、購入者が入力したカード情報を事業者側で直接保管せず、Stripe側で安全に処理します。
事業者はダッシュボード上で売上や返金、入金状況をまとめて確認できるため、自前で複雑な決済システムを組む必要がありません。
つまり、セキュリティを確保しながら、決済管理の手間も減らせる のがStripeの強みです。
Stripeで利用できる決済方法
ビジネスに適した Stripe の決済手段
クレジットカード・デビットカード
StripeはVisa・Mastercard・American Express・JCB・Diners Club・Discoverの6ブランド に対応しています。
JCBやDiners Club、Discoverは別途審査が必要ですが、主要なカードブランドに幅広く対応しているため顧客の利便性を損ないません。
デジタルウォレット(Apple Pay・Google Payなど)
StripeではApple PayやGoogle Payなどのデジタルウォレット も利用できます。
ユーザーがウォレットにカード情報を保存していれば、サイトでカード番号を入力する必要がなく、スムーズな決済が可能になります。
コンビニ決済・PayPay・銀行振込
Stripeはコンビニ決済、PayPay、銀行振込 など多様な支払い方法に対応しており、現金派の顧客やスマートフォン決済を好む顧客にも対応できます。
コンビニ決済ではファミリーマートやローソンなど全国の主要コンビニでバーコードを提示して支払えるため、クレジットカードを持たない顧客でもオンライン取引に参加できます。PayPayは国内のコード決済に対応し、アプリ上で完結する手軽さが魅力です。銀行振込は請求書をベースにした支払いに向いており、BtoB取引や高額商品の決済に利用されます。
定期課金やサブスクリプション
StripeのAPIを活用すると、月額や年額の定期課金(サブスクリプション) を簡単に実装できます。
決済できなかった場合の再請求や割引コードの発行、リマインダー機能も備えられるので、継続課金モデルの運営に適しています。
Stripeの料金・手数料
基本手数料(3.6%)と支払い方法別料金
Stripeでは、クレジットカード・デビットカード・デジタルウォレット・コンビニ決済の基本手数料が一律3.6% に設定されています。また、決済手段によって細かな手数料が異なるため、以下のように整理しておきます。
決済方法 手数料 補足 クレジット/デビットカード デジタルウォレット 3.6% Visa・Mastercard・American Expressなど6ブランドに対応。為替が必要な場合は追加手数料2%が上乗せされます。 コンビニ決済 3.6%(最低120円) 全国の主要コンビニで利用可能。返金時は250円+消費税の手数料が発生します。 PayPay 3.98% デジタルコンテンツ事業向けは9.48%。 銀行振込 1.5% 返金時は250円+消費税が発生します。 サブスクリプション課金(Billing) 0.70% 2024年7月10日より導入。定期課金機能を利用する際の追加手数料。
現地の支払い方法の料金体系
このように支払い方法に応じて費用構造が異なるため、商品の単価や顧客層に合わせて最適な手段を選びましょう。
為替や外国カードの追加手数料
外国発行カードや通貨換算が必要な場合には、基本手数料3.6%に加えて2%の追加手数料 がかかります。例えば、米ドル建ての支払いを円建てで受け取る場合などが該当します。海外展開を視野に入れている場合は、この追加手数料を料金設定に反映させましょう。
Stripeのメリット(特徴)
簡単に導入・即日利用開始
Stripeで最もおすすめしたいポイントは導入スピードの速さ です。
会社の登記番号や身分証、電話番号、銀行口座などを入力するだけで、最短1日で利用を開始 できます。
他社サービスのように長い審査期間を待つ必要がありません。
充実したダッシュボードとモバイルアプリ
Stripeのダッシュボードでは、支払い履歴の検索や返金、不審請求への対応 が直感的に行えます。
iOSとAndroid向けのモバイルアプリも提供されており、外出先でも売上管理や請求書作成が可能です。
アクセス権限を細かく設定できるため、セキュリティ面でも安心です。
高速な入金サイクルとグローバル対応
Stripeは日本では週1回(金曜日)の入金サイクル を採用しています。
また、130種類以上の通貨に対応 し、海外でのビジネス展開を支援します。
複数の決済代行業者と契約する手間がなく、1つのアカウントで多通貨取引を処理できます。
強固なセキュリティと不正対策
StripeはPCI DSSに準拠 し、カード情報を事業者のサーバーに保存せずに処理するため安全性が高いです。
さらに、AIを活用した不正検知システム「Radar」を標準装備しており、リアルタイムに不正取引をブロックします。
24時間年中無休のサポート
Stripeでは、メール・電話・チャットによる24時間年中無休のサポート を提供しています。
トラブルが発生しても迅速に対応してくれるため、安心して利用できます。
Stripe Terminalと対面決済
以前はオンライン決済が中心でしたが、2025年9月に開催された「Stripe Tour Tokyo 2025」でStripe Terminal の日本提供が発表され、現在は店頭用端末やiPhoneのタップ決済を利用した対面決済にも対応しています。専用端末の購入やアプリケーション設定が必要ですが、オンラインとオフラインを統合した決済を実現できるようになりました。
Stripe決済のデメリット・注意点
決済手数料・返金時のコスト
注意したいのは、返金が発生しても決済手数料が加盟店に返還されない点です。また、コンビニ決済や銀行振込で返金を行う場合は、250円+消費税の返金手数料が別途請求されます。
単価の低い商品ならそこまで気にならなくても、高額商品や返金対応が多い業種では利益を圧迫しやすくなります。返品が発生しやすいビジネスでは、導入前に返金ポリシーと収支のバランスを確認しておきましょう。
禁止・制限業種と審査の必要性
Stripeには利用できない業種 があり、アダルトコンテンツやギャンブルなどは登録できません。
金融サービスや医療関連などは追加審査が必要で、審査には3~5日程度かかります。
申し込み前に自社の事業が該当しないか「禁止業種および制限付き業種 | Stripe 」を確認しましょう。
入金スケジュールと資金繰りの注意
日本では入金が週1回となっており、祝日が重なると入金まで2週間程度かかる場合 があります。
資金繰りがタイトなビジネスでは、入金スケジュールを考慮した資金計画が必要です。
アカウント凍結リスクとAPI情報差
禁止業種に該当するとアカウントが凍結 される可能性があり、APIドキュメントの日本語版は英語版より更新が遅れることがあります。
最新の情報を英語版のドキュメントで確認する習慣を付けると安心です。
Stripeアカウントの開設方法
登録に必要な情報と書類
Stripeアカウントを開設するには、以下の情報と書類が必要です。
会社の登記番号 または個人事業主の情報
責任者の本人確認書類 (運転免許証・マイナンバーカードなど)
電話番号
銀行口座情報
WebサイトのURLと事業内容
場合によっては、登記簿謄本や印鑑登録証明書などの法人確認書類が求められます。
アカウント登録の手順
Stripeアカウントの登録はオンラインで完結します。手順は以下の通りです。
Stripe公式サイト へアクセスし、「今すぐ始める」をクリック。
メールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成。
送られてくる確認メールのリンクをクリックしてメールアドレスを認証。
会社情報や本人確認情報を順に入力。
SMSに届いた二段階認証コードを入力し、本登録を完了。
登録後はダッシュボードにアクセスできるようになり、APIキーの発行も可能です。
APIキー取得と決済フォームの設定
登録が完了したら、ダッシュボードからAPIキーを取得 します。
APIキーを使ってサイトやアプリに決済フォームを埋め込むことで、Stripe決済を利用できます。
テスト環境で動作確認した後、本番用のキーに切り替えるのが一般的です。
ノーコードツール・プラグインの活用
WordPressやShopifyを利用している場合は、Stripe対応プラグインをインストールするだけで決済機能を追加できます。
ノーコードツールでも連携可能ですが、高度なカスタマイズにはエンジニアの協力が必要になることもあります。
Stripeの活用事例
ECサイトやサブスクリプションサービス
Stripeは単発購入だけでなく、定期課金や継続課金などさまざまなビジネスモデル に対応しています。
再請求や割引コード、リマインダー機能などを活用すれば、SaaSやオンラインコミュニティの運営も効率化できます。
メディアやモバイルアプリの導入事例(日経ID・ANA Pocket)
Stripeは、メディアの有料会員サービスやアプリ内課金のように、継続的な課金管理が必要なサービスとも相性が良い決済基盤です。
日本経済新聞社の「日経ID」はStripeを導入して課金サービスを円滑に提供しており、ANAグループの「ANA Pocket」ではポイントプログラムにStripe決済を組み込んでいます。
これにより、ユーザーはスマートフォンからスムーズに決済でき、新しい顧客体験が提供されています。
BtoBサイトやクラウド販売管理との連携
卸売やBtoB ECでは、DEXTREなどの販売管理システムとStripeを連携させることで、受注から決済までを一元管理 できます。
請求書ベースのカード決済にも対応でき、クローズドなBtoB取引の効率化に寄与します。
よくあるQ&A
他の決済代行サービスとの違い
StripeはPayPalやspikeと比較して対応カードブランドが多く 、審査が簡素で導入までの時間が短いことが特徴です。
さらに、決済フォームを自社サイトに埋め込めるため、購入者が別サイトに遷移する必要がなく、購入率の低下を防げます。
個人での利用は可能?
Stripeは法人だけでなく、個人事業主やフリーランスでも利用可能 です。
ただし、禁止業種や制限業種に該当しないかを確認し、必要書類を準備したうえで申し込みましょう。
分割払いは対応しているか
Stripeは分割払いに対応していますが、通常の手数料に加えて支払い期間に応じた追加手数料 が発生します。
分割払いを導入する際は、手数料を考慮した価格設定が必要です。
セキュリティとPCI DSS準拠
StripeはPCI DSSに準拠 しており、カード情報を直接扱わないため安全性が高い。
不正検知システム「Radar」も標準料金に含まれているため、追加料金なしで高度な不正対策が利用できます。
禁止業種はなに?審査はどのくらいかかる?
Stripeが禁止している業種にはアダルトコンテンツやギャンブルなどがあり、医療・金融関連などは追加審査が必要です。
詳細はこちら をご確認ください。
審査には3~5日ほど かかるため、申請前にビジネス内容が対象外でないか確認しましょう。
Stripeでオンライン決済導入を成功させるポイント
ビジネスモデルに合った導入方法の選び方
Stripeは機能が多いため、まずは「どこで売るか」「単発か継続課金か」「請求書が必要か」「実店舗があるか」で選ぶと判断しやすくなります。
こういう場合 向いている機能 使い方のイメージ 自社サイトで単発の商品を販売したい Stripe Checkout 商品購入用の決済ページを使う LP、SNS、メール経由で販売したい Payment Links 決済リンクを共有して支払ってもらう 月額会員、SaaS、サブスクを運営したい Stripe Billing 定期課金、再請求、プラン管理を行う BtoB取引で請求書払いを導入したい Stripe Invoicing 請求書を作成して送付する 実店舗とECの売上をまとめて管理したい Stripe Terminal 店頭決済とオンライン決済を一元管理する マーケットプレイスや予約サイトを運営したい Stripe Connect 複数事業者への入金や分配を行う
たとえば、ECサイトやオンラインショップで単発購入を受け付けたい場合は、構築済みの決済フォームを使えるStripe Checkoutが向いています。決済画面を自前で作り込まなくても始めやすく、導入スピードを重視する事業者に向いています。
InstagramやLINE、メールマガジン経由で商品を販売したい場合は、Payment Linksが便利です。Webサイトがなくても決済リンクを発行できるため、イベント申し込み、単発講座、限定商品の販売にも使いやすい方法です。
月額課金や年額課金が必要な場合は、Stripe Billingを選びます。会員サービス、SaaS、オンラインサロンのように継続課金が前提の事業では、請求の自動化や再請求機能が活きます。
適切な審査書類の準備と業種確認
登記簿や本人確認書類など必要書類を事前に準備し、禁止・制限業種に該当しないか確認してから申し込みましょう。
審査がスムーズに進むことで導入までの期間を短縮できます。
必要な書類については本人確認と自宅住所確認のための書類 : Stripe: ヘルプ & サポート をご確認ください。
顧客体験を高める決済UI・Payment Links
決済フォームを自社サイトに埋め込んだり、メールやSNSで支払いリンクを共有できるPayment Links を活用すると、購入者の離脱を防げます。
特にスマートフォンユーザーが増える現在、簡潔で分かりやすい決済フローは売上に直結します。
サポートプランとアップデート情報の活用
Stripeは24時間サポート やAPIドキュメントのアップデートを提供しています。
料金や機能の変更は適宜チェックし、必要に応じて有料サポートプランを検討すると良いでしょう。
まとめ
Stripeは、迅速な導入、低コストの料金体系、多彩な決済方法、優れたセキュリティとサポート体制を備えたオンライン決済プラットフォームです。
一方で、禁止業種への対応や入金サイクル、返金時の手数料など注意すべき点もあります。
本記事で紹介したメリット・デメリット、料金詳細、導入手順を参考に、自社ビジネスに合った形でStripeを活用してください。
https://wp-orend.orend.jp/mag/a0263